呼吸器疾患の診断のために欠かせない検査として気管支鏡(呼吸器内視鏡)検査があります。肺がんや悪性の呼吸器疾患のみならず、良性や炎症性の呼吸器疾患の確定診断にも用いられます。他には診断方法としてCTガイド下肺生検がありますが、より合併症の少ない気管支鏡(呼吸器内視鏡)下生検が行われます。
当院の院長は、日本呼吸器内視鏡学会認定 気管支鏡専門医と指導医の資格を有し、開院するまでに1万件(1997年~2020年8月末の実績)の気管支鏡(呼吸器内視鏡)検査を行ってきました。現在も湘南鎌倉総合病院・呼吸器内科の非常勤医師(2020年8月まで主任部長として勤務)として、仮想気管支ナビゲーションシステムとガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS法)を組み合わせたGuided Bronchoscopyや超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA; Endobronchial Ultrasound Guided Transbronchial Needle Aspiration)を用いた生検診断を行っています。
超音波気管支鏡ガイド下
針生検(EBUS-TBNA)
コンベックス走査式超音波気管支鏡(Convex probe endobronchial ultrasound; CP-EBUS)は2002年に本邦で開発され、現在は呼吸器内科医にとって肺癌診療における治療方針決定の上で欠かすことのできない気管支鏡手技です。肺がんのドライバー遺伝子異常の検索にも耐え得る充分量の組織サンプルが得られ、特に肺癌リンパ節転移診断における累積感度は88-93%、累積特異度は100%と良好な成績が報告されています。
EBUS-TBNAの適応症例
肺がんの原発巣サイズが小さいため同部位からの生検診断は困難だが、縦隔・肺門リンパ節転が腫大している症例。
- CTおよびFDG-PET画像上、原発性肺がんの縦隔・肺門リンパ節転移が疑われ,N因子ステージングが治療方針の決定に関わる例。穿刺可能であれば病理組織学的検索を行います。大まかな目安としては短径1cm以上かつPET SUV 2.0以上のリンパ節は全て穿刺の対象になり得ます。
- 縦隔肺門リンパ節腫大(BHL)型の肺サルコイドーシスが疑われる症例。同一手技において気管支肺胞洗浄(BAL)も併用して行います。肺野の陰影も同時に認める場合には経気管支肺生検(TBLB)も同時に行う場合もあります。
- 縦隔腫瘍(特に気管・気管支周囲の病変)
- 悪性リンパ腫などのリンパ増殖性疾患の病理診断
- 感染性疾患(肺結核、結核性リンパ節炎など)
末梢肺野小型病変に対するGuided Bronchoscopy
Guided Bronchoscopy
末梢肺野小型病変に対し様々なGuideを用いてアプローチする手法です。Meta-analysisにおいても従来の透視のみを用いた経気管支肺生検(TBLB)に比し診断率向上に寄与することが報告されています。Guided BronchoscopyにおけるGuideには以下の4種類が挙げられ、実際にこれらの全てを使用して生検を行っています。
- X線透視装置
- 気管支ビデオスコープ
- 仮想気管支ナビゲーション(VBN; Virtual Bronchoscopic Navigation)
- ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS法)
仮想気管支ナビゲーション
(VBN; Virtual Bronchoscopic
Navigation)
中心的役割を持つGuideになります。病変到達までの仮想気管支内腔画像や仮想気管支ナビゲーションルート等の仮想情報を基に使用する気管支ファイバーを選択し、さらにそれに適合するGuideを組み合わせます。つまりVBNを軸にシミュレーションして可能な限り複数のGuideを組み合わせる手法が最も診断率の向上に寄与します。
ガイドシース併用気管支腔内
超音波断層法 (EBUS-GS法)
Guide Sheath(GS)とRadial-Type EBUS(R-EBUS)を併用した診断手技がEBUS-GS法で、この2種類のGuideを使用することで診断率は向上します。R-EBUSとはRadial-Typeの細径超音波プローブのことであり、外径2.0mm (UM-20-20R, Olympus)と1.7mm (UM-20-17S)の2種類があります。GSを使用することで生検手技における固定性および再現性が高まり、また合併症の一つである重篤な気道出血も回避することができます。つまり再現性の高い生検手技回数を増やすことができ、安全に良質で充分量の肺組織サンプルを確保できるメリットがあります。またR-EBUSによる病変の超音波画像所見は生検処置具の選択性にも影響を与えます。Radial型超音波画像に基づく病変到達所見としてWithin, Adjacent to, Blizzard等の所見分類があり、Withinに比しAdjacent toの病変診断率が22%低下することが報告されています。
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- 診療科目
- 内科・呼吸器内科・アレルギー科
- アクセス
- 藤沢駅北口(徒歩6分)
藤沢本町駅(徒歩11分) - 院長
- 三沢 昌史 Masafumi Misawa (医学博士)
- 診療内容
- 気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、COPD、高血圧、高脂血症、糖尿病、検診(肺がん検診など)、健康診断(企業健診)、各種予防接種
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